東京ひとり暮らし備忘録

東京でのひとり暮らしが一旦幕を閉じた。

思い返せば楽しかった。東京という大都会で孤独を感じたり、新しい人と出会ったり、昔からの友だちと会って安心したり、全部20代のうちに経験できてよかった。

 

次に日本で暮らす時には33歳くらいになっている予定だ。この国のいろんなことに毎日ブチギレながら生きてるけど、結局はいろんなことが恋しくなるような気がする。安くて美味いランチとか?

 

新宿から家まで歩いて帰るのが好きだった。甲州街道を西にまっすぐ下る。新宿から中野区を見下ろすと、都会から人が暮らす場所に帰っていく感覚があった。それが目で見てわかる感じ。夕方は日の入りを見ながら、深夜は植え込みで潰れてる酔っぱらいを避けながら。

 

一年くらいしか住まないし、という理由で割と適当に選んだアパートにも愛着が湧いてしまった。狭かった。人を招くことができないくらい、若くて小柄な人間のひとり暮らし用の家。家具や家電を全部撤去すると余計に狭く見えた。仕事の忙しさを言い訳にほとんど使わなかったキッチン、靴が2組しか入らない玄関、風呂の無い浴室、ゴキブリが出たロフト、南向きの大きな窓。わたしの独り立ちデビューを見届けてくれてありがとう。

 

どうせ数年後には東京に戻ってくるのだと思う。30代の自分、少しは大人になっているんだろうか。街も変わるのかな。またね。