ダニエル・クレイグ先輩!15年間お疲れ様でした!

007 / No Time to Dieを観た。

ジェームズ・ボンド自体が好きかどうかは置いといて、ダニエル・クレイグがこのキャラクターに深みを持たせたその作品たちが好きだった。21世紀を生きててよかった。彼がボンドを演じるのは今回が最後。6代目お疲れ様。また追っていたシリーズものが1つ終わってしまった。15年間ありがとう…。

 

というブログを書きたいとずっと思っていたけど正直何をどう書けばいいのか全然わからない。とりあえず最新作で思ったことから書く。

 

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車強すぎワロタ

上映中にどうしてもこれを声に出して言いたくなってウズウズした。

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ガビガビの車体とボロボロのボンド

今回も例に漏れずアストンマーティンで登場。冒頭のカーチェイス、映像がとてもよかった。個人的に全体を通してアクションシーン過去一番良かったと思ってる。とりあえず、高機能アストンマーティン強すぎて面白いので最初だけでも見てほしい。

 

アナ・デ・アルマスかわいすぎるだろうが…

これも喉元まで出かかった。

アナ演じるパロマの登場シーン。キューバの一角の店でボンドを待つ彼女、背中が全開の服を着ている。背中綺麗すぎるだろ、さすが女優。振り返るパロマ。可愛すぎる。顔が可愛すぎる。来世絶対にこれになりたい。

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ッカァ~!

可愛くてセクシーなドレスを着ていてちょっとお茶目な協力者。昔の007ならこういうおなごは絶対にボンドと一夜を共にしていただろう。でも皆さん、2021年なんだよな、今。パロマとは仕事を終えれば解散。そういう雰囲気にならない感じすごくよかった。なんか昔の007シリーズ見たらわかると思うけどコンプラがガバガバだもん。ショーン・コネリーの時代とかただのレイプみたいなシーンがあるし、あれ本当に嫌だったのでそういう点ではダニエル・クレイグのボンドは信用できる。

ちなみにパロマのアクションシーンもすごくよかった。キューティーハニー(概念)って感じで。ただパンツ丸見えになりそうなドレスでヒールで戦うのはボンドシリーズの定番というか、こんな時代だけれども007シリーズだからあえてそのままにしたのかな、とかなんとか思った。

 

和テイストのヴィラン

能面怖い。敵が能面被ってるの怖かった。でも能面外すとI was born to love youなんよ。でっけぇ愛。

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今回の悪役サフィン [2019 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.]

彼、ロシアと日本の間(?)の島をアジトにしてやべぇモノ作ってるんだけど、趣味がめっちゃ和。盆栽とか座布団とか。あーハイハイまた悪者をエスニックな感じにしたいやつ?と思ったけど、いろいろ見てみると今回の監督キャリー・フクナガが日本にもルーツを持つ人で、ただそれが影響してるらしい。監督になって好きなことやるの楽しそうだなー。

 

6代目ボンドはフェミニストなのか?

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マニーペニー役ナオミ・ハリスと007役ラシャーナ・リンチ [Photograph: Lia Toby/Getty Images]

正直これは違うと思う。先月のロンドンプレミアでボンドガールことマドレーヌを演じたレア・セドゥが"He's a feminist and it's really something he brought to the franchise..."って言ってるのを見て、ほう…となった。このheがクレイグを指すのかボンドを指すのか定かではないけど、気になったので考えてみることにした。

確かに21世紀のボンドはセクシストでもミソジニストでもなかったとは思う。ただ色気があって女性にモテてしまうんだよね。わかる。だからといって6代目ボンドシリーズがフェミニストと呼べるのかというと微妙。さっきも言ったようにパロマも露出多めでヒール参戦、マドレーヌも逃避行中もヒール履いてた。エアマックス履けよなぁ?これも007シリーズの一貫性のためかもしれないけど。

ボンドの後釜として007になったエージェントは黒人女性。これも必ずしもフェミニスト/多様性の主張のためではなくて時代の流れに乗ったごく自然な演出だと思った。女性でも〇〇になれる!〇〇できる!とか、未だにいちいち言わないとけない時代ではあるけど、すべての映画がフェミニストでなくてもいいんじゃないの…とか思ったりする。ただ、男性が描く嘘みたいに綺麗でセクシーで思い通りになる女キャラクターが出てきたときに、古臭いねってみんなが言えるようになればいいなと思う。もうなかなか出てこないと思うけど。

そう考えると男の理想「ボンドガール」が伝統(?)となっているこのシリーズ自体が2021年においては古典だと捉えれば気が楽になる?ならないかな?ちょっとわからないけどこれが今思うこと。

 

007シリーズのその後

古典だとか勝手なことを言ったけど、作中でもMI6やボンド自身がどんどん老いていくものとして描かれているのも事実。スカイフォール(2012)ではMI6のデータが漏洩したり職員が拉致されたり、古い体制に問題があるのでは、という問題提起がなされた。この作品以降メンバーの再構築も行われた(ちなみに主題歌はアデルのSkyfallが一番好き)。若手のQ(みんな大好きベン・ウィショー君)が登場したり勤務2年目の007が出てきたりと世代交代を伺わせる。最新作でもボンドは現役引退して所帯持ちになっている。6代目ボンドを一つの大きな作品としてうまく終焉に向かわせる流れができていたんだなと今になって思う。

ただJames Bond will return. みたいなこと言ってたから未来があるらしい。どうやって戻ってくるんだろう、どうやって時代に合わせるんだろう、という純粋な期待が私にはある。

 

お疲れ様!!!

色々言ってきたけど今回の趣旨はダニエル・クレイグの功績を称えることなんですよ。功績というか、ボンドやってくれてありがとう!と言いたい。

クレイグがボンドに内定した当時、世間の目は冷たかった。「史上初のブロンドのボンド」、「無愛想」、「チビ」、「不細工(←?!)」などなど好き勝手言われたらしい。それまで主役というよりも脇役としてアート系の(変な)作品に出演していた彼が色男ジェームズ・ボンドに相応しいと思う人がいなかったらしい。

ただ1作目カジノロワイヤル(2006)のプレミアを皮切りに人気が急上昇。私生活を大きく変えてしまうほど有名になった。ロンドン五輪の開会式にも出たね(ウケるから見て→James Bond and The Queen)。

最近インタビュー『ジェームズ・ボンドとして(2021)』を見たんだけど、ダニエル・クレイグと製作陣の頑張りが伝わりすぎて必要以上に胸熱になった。ハリーポッターが終わったときほどの喪失感は正直ないけど、今後どうしようみたいな気持ちにはなった。これまでになくボンドの繊細な内面を表現したダニエル・クレイグ、渋くて寡黙ですごく好きだったよ、ありがとう。会いたい(強欲)。